「ぼぎわんが、来る」を読んで、自分とホラーとの関係性を考えてみた。
○ホラーはどちらかというと苦手
ホラーがあまり得意ではない。
小説だと貴志祐介「黒い家」と、道尾秀介の短編集くらいであまり読んでないし、
目に焼き付いて忘れられなくなりそうな見た目の怖さやグロテスクさ、そもそも驚かされるのが苦手で、ホラー映画はほとんど観ていない。
お化け屋敷もそうだが、いきなり出てきたらびっくりするのは当たり前なので、びっくり系は好きではない。
○それでも好きなホラー漫画
それでも好きな作品がある。
ホラー漫画だと伊藤潤二と、山岸凉子の作品が好きだ。
・伊藤潤二
伊藤潤二作品は結構グロテスクな描写もあるが、繊細なペン画が美しい。
怪異現象との距離の取り方が独特というか、どこかドライな視点があって、ホラーが苦手でも読みやすい。
「よくこんなこと思いつくな…」という短編がぎっしり詰まっている。
伊藤潤二作品を一言でいうと、「良質な悪夢」だ。
怖い夢や変な夢を見て、「でもなんかよくできてたな、完成度高かったな…」と思うことが時々あるのだが、その感覚に近いものがある。
特に好きな作品は、「道のない街」「長い夢」「記憶」など。
“鬼才”って、こういう人のことを言うのだと思っている。
・山岸凉子
山岸凉子はホラー漫画家ではないが、怖い短編が結構多い。サイコホラーが主だが、オカルト系もある。
怖すぎてあまり思い出したくないのだが、後者の代表作は「汐の声」「私の人形は良い人形」(こちらは表紙の時点で怖くて見たくないので、リンクも貼りません)など。
山岸凉子作品はホラーに限らず家族関係がテーマになっているものが多く、「家族といったって味方とは限らない」「親が一番の敵ということもある」という世界観を10代の私に教えてくれた。もう少し大人になってから読んだほうがよかったかもしれないが、後悔はしていない。
好きな短編は「天人唐草」「パイド・パイパー」など。
何十年も前の作品であっても、今読んでも古くなっていないところがすごい。今だと「毒親」とかそういう言葉があるけど、いち早く描いていたのだと思う。