生きるためのセミリタイア

当たり前を疑い、40代セミリタイアを目指す

澤村伊智の短編集「などらきの首」~組体操の記憶

 

ステレオタイプな子ども像

子どもの頃、「カレーとハンバーグが好きで勉強は嫌い、体育大好き」みたいなステレオタイプを、アニメとかでも現実でも押し付けられるのがしんどかった。
なんで勉強は嫌々やる前提なのか。野菜は我慢して食べるものという前提なのか。
そうやって刷り込むから、勉強が楽しいと思えなくなるのではないか。

運動会やマラソン大会に出るくらいなら、計算ドリルの5冊でも解くからドサッと渡してくれと思っていた。

自称「子ども好き」の大人は、大抵冒頭のような「自分の好きな子ども像」に当てはまる子どもしか好きじゃないから、苦手だった。
実際は、そんな像にそのまま当てはまる子の方が少数派だとは思うけど。

苦手だった同級生が教育実習に行ったという話を聞いて、
あぁ、こうやって再生産されるんだなぁ…と悲しい気持ちになったことがある。
その同級生はかつて、自分は大人に好かれるということを公言していた。
気に入らない相手は他の人を巻き込んで攻撃したりしていた。でもずっと中心的な人物だった。
学校にいい思い出がない人は、まず教師なんて目指さない。

 

澤村伊智「などらきの首」

昔そんなことを考えたのを、澤村伊智の短編集「などらきの首」を読んで思い出した。

 

などらきの首 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)

などらきの首 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)

  • 作者:澤村伊智
  • 発売日: 2018/10/24
  • メディア: Kindle版
 

この短編集の中で最も印象に残った作品は、「学校は死の匂い」だ。
冒頭で、著者の組体操への憎しみが炸裂している。短編なぶん、すぐネタバレになりやすいから詳しくは紹介しないが。

私も組体操なんて大嫌いだった。なぜ小石まじりの砂の上を裸足で走って、むき出しの膝と手のひらをつかないといけないのか。本当は組体操なんてやりたくない子の方が多かったんじゃないか。
毎日毎日拡声器で汚い言葉遣いで怒鳴られて、学校の近所に住む人から苦情が来るんじゃないか?というか来てほしい、と思った。

また、その次に収録されている「居酒屋脳髄談義」では、
部下や後輩をサンドバッグにして自分がスッキリしたいだけの“職場の飲み会”に対する怒りもだいぶストレートに表現されていた。

著者の他の作品でもそうだが、集団や多数派にになじめない、疑問を持ってしまう側の視点が大切にされていると思う。

女性の描き方にノイズがない

また、女性の登場人物が記号的じゃないところも読みやすく感じる。記号的な(謎の)「美女」が登場したり、執拗に外見の描写が続いたり、変な「サービス」とかがない。想定読者から除外されていない感じで、ノイズがないのだ。名作であっても、その辺りが古臭いと読むのが辛くなってしまっている。

もちろんホラーやミステリとして見事に楽しませてくれるところがすごいのだが、余計なノイズがないところも澤村伊智作品の好きな点である。

「家畜化という進化ー人間はいかに動物を変えたか」2~雑感

 前回は要約だったが、今回は個人的に印象に残った部分を紹介したい。

 出産のジレンマ

人類の脳の進化にはまた、進化の保守的な面と、すでにあるものをいじくりまわしてやりくりする(ティンカリング)という自然選択の性質とがうまく映し出されている。二足歩行の成立が脳の増大よりもかなり前に起こったという偶然的事実は、人類の進化に重大な結果をもたらした。その一つが「出産のジレンマ」である。効率的な二足歩行には幅の狭い骨盤が必要である。一方、脳のサイズが大きいために新生児の頭部も大きい。分娩時にはこの大きな頭部が骨盤を通り抜けなければならないのだ。脳が増大するより前に骨盤の進化が起こったために、骨盤のサイズのせいで新生児の脳のサイズが制限されることになった。それでもなお新生児の頭は大きく、骨盤の幅が最大になる箇所に合わせて四分の一回転するという危ない過程を経なければ、出てこられないのだ。
人間の出産は、他の現生の類人猿よりもずっと困難で危険である。類人猿では新生児の頭部に対して骨盤のサイズには十分にゆとりがある。アウストラロピテクスでもそうだった。

※強調は引用者による。以下同じ

日本人女性は骨盤が小さめの人が多い印象なので、余計ダメージを受けるんじゃないか?それだって少子化の遠因だったりするんじゃないか?人間がパンダみたいな、妊娠に気づかないぐらいの出産だったらもっと生まれてる気がする。

iPhoneとかはもう十分進歩したと思うから、この「出産のジレンマ」をどうにかしてほしい。実はもう、人間の子宮以外で胎児を育てることは、技術的には可能だったりして。

 

人間の性差は小さい

進化心理学が創り出した「なぜなに物語」のなかでも言語道断なものとして、人間の性差に関するものがある。よくある進化心理学的なお話では男女の差が強調され、男性と女性は異なる種に属しているとまで思わせられる。しかし、第13章で見たように、ヒト科の系統では、性差(性的二型)は明らかに減少している。300万年前頃からすでにその傾向が見られる。哺乳類の標準から見ても、霊長類の標準やヒト科の標準から考えても、人間の性差はかなり小さい方なのだ。この事実は、自己家畜化仮説と矛盾はしないが、自己家畜化仮説の決定的な証拠となるものではない。またこの事実は、心理学的性差を含め、人間の性差についての「適応主義者のロジック」に基づく憶測に飛びついてしまいがちな人に、待ったをかけるものでもある。

すぐ「本能」とか持ち出す人には、そもそも生物はメスがオスを選ぶんだということを思い出してもらいたい。オスどうしの闘争に勝ったとしてもメスがそっぽを向くことだってある。
確かに人間、というか特にアジア人は性差が小さいと思う。女性のお尻にそこまで存在感がないところとか、マッチョな男性が少ないところとか。アジア人は幼く見えるというのはよく言われるが、人間の中でも特に幼形進化が進んでいるのではないか?

「家畜化という進化ー人間はいかに動物を変えたか」1~要約と感想

人間は動物を作り替えてきた。別の種類の動物であっても、そのプロセスには共通したところがある。

 

キツネのうち従順性の高いものを人為的に選択し、何世代か掛け合わせていく実験が行われた。 この実験の話が本書では繰り返し出てくる。 

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家畜化された動物の特徴

従順性、人間の意図を読み取る能力
(人間が近づいても怖がらない・逃げない、他の個体と接近したときも同様。これは社会性の高さでもあり、幼児・若者の特徴)
毛色の多様性(特に自然界にはあまりいない白色など)
ペドモルフォーシス(幼形進化)
繁殖期が長くなる
性的二型(=雌と雄の違い)が小さくなる(体格差や、雄の牙が小さくなって雌に近い姿になるなど)

従順性は「セット販売」のように他の形質と組み合わされているので、副産物として、鼻づらの短縮、毛色の変化、垂れ耳の出現といった身体的変化も起こる。

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こういう家畜化のプロセスがイヌ・ネコからブタ・ウシ、トナカイやラクダまであらゆる動物について畳み掛けるように示されていく。
それからやっと、「これが言いたかった」というように人間の話につながるため、これまで読んできた知識や推論によって理解しやすくなる。
本書は専門的であり、読み始めるまで理解できるか自信がなかった。というか本当に理解できたとは思っていないが、本書の構造はかなり理解しやすく作られていた。

人間の自己家畜化仮説

人間こそがもっとも家畜化された動物なのではないか。
他の動物と比べて未発達な状態で生まれてくるし、社会性や外見的特徴からも、幼形進化の特徴を有している。
ここまでの説明を踏まえると人間は自己家畜化したように思えるが、どうだろうか?ということを本書は検討している。

 

 

大型犬~本筋とは離れるが、気になった話

ゾウの時間ネズミの時間、というように大型動物の方が長生きする。ハムスターの鼓動はすごく速くて、「生き急いでる」感があり、悲しくなるくらい流れている時間が違うと実感させられる。
なのに、犬の場合は、小型犬が20年近くも長生きして、大型犬は短命である。それが以前から疑問だった。

哺乳類には、大型種の方が小型種よりも寿命が長いという法則がある。ゾウはネコよりも、ネコはネズミよりも長生きといった具合である。ところが、諸犬種はそうではない。イヌでは大型犬種の方が早死にしてしまう。アイリッシュ・ウルフハウンド、グレート・デーン、ニューファンドランドの寿命はわずか6~8年だ。

(略)
犬が先の法則に当てはまらないのは、いま見てきたように、遺伝的に重荷を背負っているためかもしれない。
哺乳類一般の傾向と逆になっているのは、「太く短く生きる」という生活ペースの法則で、ある程度は説明できる。大型犬種が大型なのは成長が速いためである。成長が速ければ、一つの細胞が一分間に消費するエネルギーが小型犬種よりも多くなる。ほとんどの哺乳類では、大型種は実際には小型種よりもゆっくり成長する。つまり、小型種よりも長期間成長し続けるからこそ大型になるのである。(略)イヌの諸品種では、成長の速いものを人為選択して大型種を作り出しているために、この傾向が逆転しているのである。(略)心臓や骨格などに欠陥があった場合、成長の速い犬種では、成長の遅い犬種に比べてその欠陥の影響が顕著に現れる可能性がある。また、成長が速ければ細胞分裂も増えるので、がんの発症率も高くなりがちというわけだ。

 
大型のネコ(ノルウェージャンとか)はゆっくり成長し、骨格が完成するのが遅い。それとは対照的に、大型犬は成長が速いから大型になっている。

本書ではケネルクラブによる犬種作出の歴史についても詳述されている。グロテスクな領域にまで達した人為選択の例である。

たいして興味もないのに聞かないでほしい

休みの日は何してるかとか、たいして興味もないくせに聞かないでほしい。
読書と散歩、あとは家事とかだけど、話広がらないし広げたくもない。
相手だって多分広げる気はない。「ネタにして」「変人扱い」して「いじり」たいだけ。材料が欲しいだけ。

自分が観てるテレビ番組を他人も観てる前提で話してきたりするわりに、読書が楽しい前提で話すのはだめなのか。
特定のテレビ番組の話と、最新の芥川賞受賞作を読んでる前提で話すのとは、たいして違わないのではないか。

日本以外のアジアを見下す発言を平気でしているような人に、K-POPを聴いてることを話すわけがない。
こちらの情報を開示したくない。

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別に自分のことを理解してほしいとも思わないし、ただ踏み込んできてほしくない。
天気の話、コロナの話とかそういう世間話だけで十分だ。むしろ無難な世間話は好きだ。
踏み込まないということが常識になるのは、どれくらい先のことだろうか。

【その3・完~趣味は教える側に回ろう~】いちのせかつみ「書かずに貯まる!クリアファイル家計簿」感想

本書の趣味についての考え方が印象的だったので、今回はその部分に絞って紹介したい。

書かずに貯まる! クリアファイル家計簿

書かずに貯まる! クリアファイル家計簿

 

 

○趣味を始めるなら、教える側に回ることを考える 

人が定年を迎えるぐらいの年齢になったとき、趣味とのかかわり方は、大きく2つのタイプに分かれます。

まず、老後を楽しめるような趣味を始める人。例えば、「年をとっても楽しみたいから」と陶芸を始めるとか、手芸教室に通い始めるとか。
もう一方は「教える側」に回る人です。長年続けてきた経験を生かして、書道教室を開くといったことですね。

 

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教わる側と教える側の違いは何か。いちばん大きいのは教わる側はお金が出ていく一方ですが、教える側は収入につながる可能性があるという点です。
(略)ぜひおすすめしたいのは、今のうちに、将来「教える側」に回るような趣味を見つけることです。例えば今、40歳だとすると、60歳の定年を迎えるまで20年あります。週2回ずつでも趣味を続けていたら、60歳になる頃には、そこそこ教えられるようになると思いませんか。

この視点は新鮮だった。「消費するだけの趣味じゃなくて、発信したりして生み出す趣味にしていきましょう」といったことは見かけるが、「教える側に回る」という視点は今まで他の本などではあまりなかったのではないか。

10年単位で続けていたらそれなりのレベルになれそうだし、収入が得られたら儲けものだ。わかりやすい目標がないタイプの趣味であっても、長期の目標が立てられるかもしれない。

 ・「自己投資」という名の浪費に注意

ただし、気をつけたいのは「自己投資」という言葉は非常にあいまいで、都合よく解釈できてしまうという点です。
自己投資の名のもとに、「今が楽しいだけ」の趣味やレジャーにポンポンお金を使ってしまうと、“遊んで終わり”になりかねないので気をつけましょう。
ポイントは「ひとつに絞ること」です。(略)向いてないと思えばやめて、次のことを始めてもいいですが、同時にあれこれ手を出しすぎると、うまくいかないものです。

せっかく趣味に時間とお金を費やすなら、その場限りの遊びで終わらせるのではなく、将来の自分への投資にする。これも、できるだけ早いうちに身につけておきたい「お金の賢い使い方」のひとつなのです。

ネイルもエステも何でもかんでも「自己投資」とかいう人がたまにいるが、趣味も結構線引きが難しい。

趣味は単なる遊びで終わっても、楽しければまぁいいと思うが、お金をかけるのであれば、いつか教える側に回れるようにという投資の視点を持つ。

ただ、これを読んでいて思ったのは、よく分からない民間資格とか、○○インストラクターになれますよ、という高額セミナーも世の中にはたくさんあるから、それだと結局搾取されるだけで終わってしまうだろう。個人的には、「これさえ受ければ…!」みたいな謎のバラ色の夢を抱いてお金をつぎ込むのは、筆者の言っている趣旨とは異なってきてしまうと思うし、注意が必要だと思う。

自分が楽しいからやっているというのがベースにあり、お金は必要な範囲に絞る。「いつか教室を開くから回収できるよね!」というのはちょっと待て、ということだ。

 

 

・ 教える側の視点を持って習う

また、習い事をするときは教える側に回ったときのことを意識することも大切です。漫然と通うのと、「自分だったらどう教えるか」を念頭に置きながら参加するのでは全然違います。

 

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 習いに行くにしても、教える側の視点を持ちつつ受講する。そうすると、「こんなふうに伝えるとわかりやすいんだな」とか考えながら受けるので上達も早そうだ。

 

・まとめ

 「老後」というような年齢になるまではまだまだ時間があるので、好きなことをやりつつ、教える側に回るという視点を持ちながら続けてみたいと思う。

 

 

【その2~浪費家の口癖~】いちのせかつみ「書かずに貯まる!クリアファイル家計簿」感想

前回に続き、参考になったポイントを紹介したい。

 

 

書かずに貯まる! クリアファイル家計簿

書かずに貯まる! クリアファイル家計簿

 

 

○ポイントにつられない

なぜカード会社がポイントをつけるのか。それは、ポイントを貯めたいという一心で、買い物をするお客がいるからです。例えば、「今月はお誕生日だからポイント3倍ですよ」と言われると、とたんに「もう少し何か買おうかな」と考え始めるのが人間の心理です。買い物ではなく、水道光熱費などの毎月引き落とされるお金だけをカード決済にするのがおすすめです。

 水道光熱費だけというのは極端かもしれないが、ポイント3倍で得られる利益より、予定になかったものを買って失うお金の方が大きいだろう。冷静に、実際の金額で考える必要がある。

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○浪費家の口癖

浪費を正当化する5つの言葉

「せっかくだから」
「モノより思い出」
「運命の出会い」
「これを機会に」
「ま、いいか」

(略)

欲しいものができただけなのに、「運命の出会い」と、衝動買いを正当化していませんか?「これを機会に」は、引っ越しなどをきっかけに大物買いをするような場合に出てくるフレーズですが、大きく散財してしまう可能性が高い危険な言葉です。 

前回の記事でも言及したが、正当化する理屈はいくらでもつけることができてしまう。「運命の出会い」というのも、特に服とか服飾小物を買う場面で言っている人が多そうだ。引っ越しとか大きな変化があったり、大きな支出があると、「この機会に」「せっかくだから」と家具を買ったり、普段なら躊躇するような金額のものを買ってしまうおそれがある。「せっかくだから」はセール会場やアウトレットモール、旅先などで言いがち。

 

 

○支出を減らすのは今すぐできる

収入を増やすのは時間がかかります。
(略)
しかし、「支出を減らす」のは今すぐ、誰にでも始められます。また、重要なのは「収入を増やす」を実現できても、「支出を減らす」でつまずくと、結局は元の木阿弥になるという点です。

 支出を減らすのは収入を増やすより簡単。また、いくら収入が増えても浪費体質のままだとお金は貯まらない。「年収1000万円世帯が実は危ない」みたいなのも、支出が多すぎるからだろう。

 

前回の記事(衝動買いをしない)はこちら。

 

fluffysamoyed.com

 

【その1・衝動買いを減らす】いちのせかつみ「書かずに貯まる!クリアファイル家計簿」感想

 

書かずに貯まる! クリアファイル家計簿

書かずに貯まる! クリアファイル家計簿

 

 

 

○クリアファイル家計簿とは?

本書で提唱されているクリアファイル家計簿とは、
毎日、2000円をクリアファイル(クリアポケットが本みたいになっているもの)から財布に移し、
食費・日用品費はクリアファイルに分けた1日2000円でやりくりする。
1日過ごして余ったお金とレシートはクリアファイルに戻す。
家計簿を付けなくてもやりくりの感覚が身に付き、無駄遣いが減る…という方法。

家族でも単身でも同じ2000円。
ただ、お米や交際費、服代などは別枠で、その分の現金は別にファイリングしておいて、使う日に財布に入れる。

・自分が実践するとしたら…

食費・日用品費合わせて月10万円ほど使っていた人が、6万円まで減らせる、というのを想定しているそうだ。
あえて家族の人数を考慮していない数字なので、単身世帯だとこれは結構多いと思う。
私の場合は、家計簿によればもともと食費・日用品費が合わせてだいたい月4万円~4.5万円なので、1日当たり1333円~1500円となり、2000円だとかなり余る。
やってみるとしたら、1日1500円にするか。

 


○衝動買いを減らす方法

本書では、クリアファイルを使った方法そのものだけでなく、無駄遣いを減らす方法も詳しく書かれていた。特に、衝動買いを減らす方法に焦点が当てられていたので、まとめて紹介したい。

・漫然とした支出

ドラッグストアで見つけた、かわいらしいデザインの芳香剤。スーパーで特売になっていたお徳用のチョコレート詰め合わせ、大袋のスナック菓子。そして、レジ近くで売っていた三色団子。
ちょっといいなと思ってレジかごに入れたけれど、よくよく考えてみると、どうしても欲しいものというわけではない。こうしたこまごまとしたものを買った結果、財布からお金が消え、通帳の数字は一向に増えないのです。

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こんな買い方をしていたら、お金もそうだけど、健康に悪いし太りそう。めちゃくちゃ運動する人なら別だが、お金が貯まらず脂肪が溜まっていってしまう。
どうせ太るなら、もっといいものを食べて太りたい。。


・考える時間を設ける

3000円のものを買うなら3日、3万円なら3週間、30万円なら3か月考える。
(略)その瞬間、欲しかっただけのものであれば、3日も経てばたいていどうでもよくなります。

これ、特に危険なのはネットショッピングだ。特に、深夜にスマホで…というのが、高額な物でもいつでも簡単に買えてしまい、衝動買いにつながりやすい。
コロナ禍だしネットショッピングを利用するのはいいが、カートに入れて1週間は放置するとか、購入はパソコンからにするとか、制限を設けるのがよい。


・買う理屈なんて、いくらでもつけられてしまうもの

人は衝動買いを正当化する

衝動買いの場合、何かしら理屈をつけて買うものです。やっていることは明らかに衝動買いでも、その瞬間、本人にとっては衝動買いではありません。
例えば、目の前にかわいらしい指輪があったとします。すると、
「もうすぐ、いとこのAちゃんの結婚式があるしな」
「そこそこの年齢になってきたら、最低限、こういうもの持っておかないとあかんし」
と、頭の中で“計画”をでっち上げてしまう。あたかも、「最初から買うつもりだった」かのように、自分をだましてしまうのです。
(略)
考えて買ったものならいいけれど、考えずにお金を使うのはもったいない。例えば、めったに使わない3万円の指輪を衝動買いしたばかりに、毎日のように履く靴が買えなくなる、といったことが、そこかしこで起きているんです。

 

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目の前にあるものが「欲しい」だけなのに、「今度の○○に着て行く服が必要だし」とか「先月は節約頑張って服を1枚も買わなかったし」とか、なんやかんや理屈をつけて「必要」という方向に持っていってしまうのだ。

正直、理屈なんて何にでも、いくらでも、後からでもつけられる。どうせそんなに色々考えるなら、買わない理由を考える方に頭を使ってみるのも一つだと思う。
「似たようなもの持ってるし」「外出の機会が少ないから、ほとんど着ないうちにシーズンが終わる」とか。

 

 

 ・“節約しよう”として“安いから”買ってしまう

例えば、洋服を買いに行ったとき、定価3万円のワンピースが1万円になっていたら、手に取りたくなりませんか。もっと身近なところだと、スーパーの惣菜コーナーでひとつ400円のものが、2つで600円になっていたとしたら……?
みなさん、すでにお察しのように、これらが本当に必要なものであれば「賢い買い物」です。しかし、「安さ」に惹かれただけであれば、「買わなくてもよかったもの」の可能性が高いのです。

 

買わなきゃ100%オフ!もともと必要なものならいいが、安いからといって予定にないものをかったり、使い切れないとかだとかえって無駄。必要なものを必要な時に、必要なだけ買う方が結局は節約になる。

 

・本当に必要かどうか

本当に必要?チェックリスト

□本当に必要ですか?
□同じようなものを持っていませんか?
□予算を超過していませんか?
□自分で手入れできますか?
□長期にわたって使えそうですか?
□収納スペースはありますか?
□(セール品の場合)定価でも買いますか?

 「手入れ」は地味に重要で、例えばドライクリーニング代とか馬鹿にならない。あと収納スペースも、考えて買わないと今度は整理収納に凝ったりして手間暇がかかってしまう。

 

○まとめ

冷静に、よく考える時間をとってから、本当に必要なものだけを買う。基本なのだが、何度でも思い出すのがいいと思う。