「人間は自分のためにはそれほど頑張れないが、誰かのためになら頑張れる生き物だ」とよく言われる。
私は、この考え方は疑わしいと思っている。
「子どものために」「養う家族がいるから仕事も頑張れる」という人ももちろん多いだろうが、心身の不調に陥った際などに絶望して極端な選択に走ってしまうのは、むしろ養う家族がいる人の方ではないか?
統計などを調べたわけではなく、完全に想像にすぎないが。
自分一人なら何とか生きていける。そういうケースも多いのではないか。
自分一人なら収入が減れば狭いボロアパートに引っ越してもいいし、子供の教育費の心配もない。
自分の職と健康状態(及び親などの健康状態)以外の不確定要素がかなり少なくなる。
関係者が増えると援助を受けられる可能性も増えるが、その分配偶者の親の健康状態にまで影響を受けるおそれも出てくる。
自分一人食べていくだけなら、週に5日も働く必要がないかもしれない。
付き合わされる誰かがいない分、自分さえ納得していれば極端にメリハリをつけた節約生活も可能になる。
「家族との時間を作るためにセミリタイアを考えている」といった既婚子持ちの人の発信も見かけるので、独身者しかセミリタイアできないということはないのだろうが、
配偶者の理解というハードルは増える。
好き勝手に生きるには、やはり独り身であることが有利に働きそうだ。