生きるためのセミリタイア

当たり前を疑い、40代セミリタイアを目指す

「結婚したくない若者」って、あなたとはそんな話をしたくないだけかもしれません

いまや絶滅しかけの「職場の飲み会」の記憶

新型コロナの影響で「職場の飲み会」というものもほぼなくなったが
(このまま絶滅すればいいと思っている)
そういうものがまだあった頃の話。

その場で最年長の男性が、その場にいた独身者3名に対し順番に、
「彼女/彼氏いないの?」「結婚したくないの?」というまさかの質問を投げかけた。
この時点で帰っても許されると個人的には思うのだが、
まだ序盤で料理の量が夕食としても機能しないレベルだったので、
正気か?と思いながら座っていた。

私は友人でもない人にそんな話をするつもりはない。
無難な話題では確実にないと思っている。

例えばの話だけど、「同性パートナーがいます」とか
「病気して子供が産めないので結婚もしないと思います」
とか答える人が出てきたら、いったいどんな顔するんだろう?
それくらいの覚悟があってこの質問を投げかけているのか?
という渦巻く思考を押さえつけながら、
眉間にしわを寄せて「あぁ、はぁ、まぁ」を繰り返していた。

3番目に聞かれた20代の男性は、
「彼女いません」「別に欲しくありません」「結婚も別に…」
と答えていた。

彼の本心は知らないので想像にすぎないが、いちいち馬鹿正直に答える必要もないから、
「今時の若者は恋愛に興味がない」と言われるのは、こういう場面から発生している部分もあるのではないか?
と思いついた。

それ以上踏み込まないでほしいという意思表示

若者が年長者に「彼女いないの?」「結婚したくないの?」
と聞かれたときに「別に欲しくないです」「結婚したくないです」
と答えるのは、それ以上踏み込まれたくないという意思表示かもしれない。

そんなことを平気で聞いてくるような輩に「彼女欲しい」なんて答えようものなら、
「どんな人がタイプか?」「この(場にいる参加者の)中だったら誰?」
とかさらに踏み込んできかねない。
いや、あなたは友人じゃないしここは合コンじゃありません。
反対に「彼女いる」と答えたら、写真見せろとか言い出しかねない。
誰がそんなデリカシーのない相手に、大事な人の外見をネタとして差し出すか?
理解不能である。

だから、そこで話を終わらせるために「いない」「興味ない」と、
宗教やマルチの勧誘を断るときのような回答をするのがベストという判断をする。

それ以上踏み込んでほしくない。あなたとその話を続けるつもりはありません。
とまではっきり言うのは難しいから、若者はそうやってかわしているのかもしれない。

他人とは一定の距離感をもって接する、というのはセクハラ・パワハラ以前の当然のことだと思うけど…

「嫌だけど職場の飲み会に行く」というのは、新型コロナにとどめをさされて滅びかけの風習なので、
そんな時代もあったんですよという記録。
こういう目に遭って嫌な気分になる人が、今後は現れなくてすみますように。